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No.6

お久しぶりです 投稿者: いわきのPt 2004/08/14 19:12:15

19日入院して、乳がん術後、乳房変形に対する形成をしました。本日無事退院しました。再建になりなすかね?背中から前に持ってきましたが、以前放射治療をしたので、色が違うし、バランスもまだ悪いです。骨盤の影は、繊維性骨異形成ということで、半年後にまた検査します。報告終わり!!また削除してください!!


投稿者: 二瓶です。 2004/08/15 10:51:29

Ptさん、お久しぶりです。
天気予報を見ているといわきは中通りに比べ最高気温がいつも
3度から5度ほど低く、暑かった今年の夏もしのぎやすかった
ことでしょうね。
昔いわき平にいた頃のことですが、お盆の今頃になると薄磯海岸は
もう波が高くて泳ぐ人も少なく、何となく淋しく感じられたものです。

骨盤については乳癌の骨転移ではなさそうですが、これからも
きちんと定期的に診察を受けていくことが大切だと思います。

広背筋筋皮弁を用いて乳房形成をされたとのことですが、術直後は
むくみとかあってバランスが悪いのは普通のことです。
時間経過とともに落ち着いてくると思いますが、その経過の途中で
形を整えるための手術が必要になることもあります。

色に関しては腹側と背側では元々皮膚の色が違うので、個人によって
色の差に程度はありますが全く同じにはなりません。
放射線治療をしているので色の差がその分大きいのかもしれませんが、
放射線の影響は時間経過とともに小さくなるかもしれません。

乳房再建や形成では、あせらずじっくりどのように落ち着いてくるか
見ていくことが大切です。


no nameさんへ 投稿者: 二瓶です。 2004/08/14 11:32:11

術後補助療法の目的は手術した時点で全身のどこかに潜んでいるかも
しれない癌細胞を、薬物の力でやっつけてしまうことにあります。
乳癌はよほどの早期を除き早い段階から全身病と考えられています。
乳癌の病巣から血管やリンパ管を通し全身に癌細胞が流れ出て
いきますが、大方の癌細胞は体の持つ免疫力などで潰されてしまいます。
そんな中を生き残った癌細胞が、手術時点でどこかに潜んでいる場合に
微少転移といいます。

この段階では最新の機器を駆使しても見つけることができず、
骨・肺・肝などへの遠隔転移は無しと判断されます。
もし顕微鏡レベルの癌細胞が潜んでいるとすれば、補助療法無し
または補助療法の効果がなければ癌細胞は増殖し、多くの場合
3年以内ぐらいに転移と診断されることになります。

最近の術後補助療法は、体の中に存在する癌細胞数が少ない術直後に
徹底的にやっつけてしまおうという考えに基づいて行われています。
欧米では日本よりもはるか前からこうした考えで補助療法が
行われてきました。

ER(+)でホルモン療法に感受性がある場合はホルモン療法が優先され、
さらに条件により化学療法が併用されることになります。
ER(-)では化学療法が第一選択になります。
この場合の化学療法は経口抗癌剤でなく注射剤による化学療法を
行うのが世界標準です。

日本では以前から経口抗癌剤が多用されてきましたが、経口抗癌剤は
日本で開発された薬が多く日本で安易に使用されたきらいがあります。
欧米ではほとんど使われてきませんでしたが、このごろはアメリカの
学会で経口抗癌剤を評価する報告も見られるようになってきています。

術後補助療法の目的が微少転移を徹底的にやっつけることにあるので、
最近は日本でも注射剤による化学療法が一般的に行われるように
なってきています。
経口抗癌剤が決して効かないということではありませんが、効果の
確認された治療を行うという観点から多くの臨床試験で効果が
実証されている注射剤による化学療法を行うということです。
補助療法としてでなく再発に対する治療目的では、経口抗癌剤は
まだまだ重要な位置を占めています。

最終的な段階でQOL維持を目的に用いられたり、身体状況から注射剤が
使えない場合は経口抗癌剤が第一選択で使われる場合もあります。
最近は注射剤に匹敵する効果が期待できるとしてアメリカで認められ、
遅れて日本で認可された経口抗癌剤もあります。
ゼローダといってフルツロンがさらに有効に働くように改良された
薬です。

外国には元々使える経口抗癌剤が少なく必然的に注射剤が使われ、
様々な臨床試験を行って評価がなされてきました。
日本では手元に経口抗癌剤があり注射剤に比べ副作用が少ないため
安易に多用された面もありますが、決して補助療法剤として全く
だめだということではありません。
ただ、欧米のように臨床試験を組んでその効果を科学的に評価しようと
いう姿勢に欠けていました。
全く臨床試験が無いわけではなく、かなり以前に行われた日本独自の
臨床治験で経口抗癌剤が術後補助療法として有用であるいう結果が
出されています。

ですから、日本では今でも状況に応じ術後補助療法剤として
経口抗癌剤が処方されることはあります。
no nameさんの場合もそうかもしれません。

フルツロンは良い薬で乳癌に対する効果は確認されています。
新薬が開発され認可されるまでは、相当な年数をかけて臨床試験が
行われ効果があることが証明される必要があります。

注射剤も同じですが、この場合効果があるかどうかの評価は
再発病巣で行われます。
評価病変があれば効果判定がしやすいからです。
従来の薬に比較し同等以上の効果が確認されて初めて新薬として
認可されます。
初めは再発に対して用いられ、やがて補助療法に応用されます。

そのような経緯でフルツロンも長年使われてきました。

私の経験でも再発乳癌に効果があった症例を多く見ているし、
術後補助療法としてフルツロンを投与し予定の2年で中止したら
まもなく再発した方もいるので、フルツロンに補助療法剤としての
効果があることは否定できません。

補助療法の問題は効果判定ができないということです。
再発すれば効果が無かったということになるし、再発が無かったから
効果があったともいえないのです。

抗癌剤の有効率は100%ではなく普通は50%以下場合によっては
20%台ですから、術後補助化学療法無しでも再発しない方が多く
いるはずなのです。
それに抗癌剤の効果があってもその有効期間は平均して一年以下
7,8ヶ月といったところです。

その後はその抗癌剤に打ち勝った癌細胞が増殖してきます。

no nameさんは消化器系の副作用から8ヶ月でフルツロンが
中止になりましたが、それはそれで十分かもしれません。
もしno nameさんが再発予防を強く願うのであれば、私だったら
CMFもしくはアンスラサイクリン系を含むCAF、CEFといった
多剤併用化学療法を行うと思いますが、no nameさんは術後
一年以上経過しているのでさらなる化学療法は無しで経過観察して
いいと思います。

 ホルモン療法についてですが、先にも書いたように
ER(-)、PgR(-)なので一般的にはホルモン療法は選択されません。
ただし、有効率は0%ではないのでホルモン療法が全く無駄と
いうことはありません。

乳癌細胞は初期の段階ではERを持っているとされ、ERに
エストロゲンがくっつくと癌細胞が増殖します。
しかし、時間経過とともに癌細胞はERを失っていきホルモン療法が
効かない乳癌に変化していきます。
ホルモン療法はこのエストロゲンの刺激を取り去ることにありますが、
抗エストロゲン剤のノルバデックスはERにふたをしてエストロゲンが
ERにくっつけないようにします。

LH-RHアゴニストのゾラデックスは閉経前のエストロゲン産生の
大元である卵巣の働きを止め、血中エストロゲンの量を閉経後と
同じレベルに下げることによってエストロゲンの刺激を少なくします。
閉経後のエストロゲンは副腎由来です。

アロマターゼインヒビターと呼ばれるホルモン療法剤は、副腎から
分泌されるホルモンをエストロゲンに変える酵素の働きを止めて
エストゲンの産生を抑えます。
閉経前ではノルバデックスとゾラデックスが使用可ですが、
どちらでも単独で用いる場合は有効率にさほど差はありません。

ノルバデックスは血中エストロゲン濃度が低い方が効果が高いので、
閉経後の方がより効果的であることが分かっています。
ゾラデックスで卵巣の働きを止め閉経後と同じ状態になった場合、
残りは副腎由来のエストロゲンだけで濃度が低くなるため、
つまり閉経後と同じレベルに下がるのでノルバデックスを併用すると
有効率がより高くなることが実証されています。

no name さんの場合は年齢を考慮すると、つまり加齢とともに
卵巣からのエストロゲン産生が低くなるのでノルバデックスだけでも
効果がかなり期待できるかもしれません。
その現れが生理が無いことですが、ER(-)なので手術した乳癌由来の
癌細胞に対する効果には疑問符が付きます。
むしろノルバデックスの副作用が強く出ていると考えられるので、
私は中止すべきだと考えます。

その代わりにゾラデックスということですが、ゾラデックスも手術した
乳癌由来の癌細胞に対する効果にはノルバデックス同様疑問符が付きます。

卵巣に関しては、ノルバデックスの副作用かどうか確かめるため
一時的にノルバデックスを中止して、卵巣がどうなるか経過観察
してもよいと思います。

卵巣の腫れがとれてくればノルバデックスの副作用だったということに
なります。
そうでなければ婦人科の先生に再度診察を受け、卵巣腫瘍かどうか
さらに調べてもらう必要があります。

ホルモン療法については疑問符が付くと書きましたが、no nameさんは
温存手術を受けられたので、ホルモン療法は残存乳房と対側乳房に
新たな乳癌ができる危険性をかなり減少させる効果はあります。
新たな乳癌細胞はERをもっているはずだからです。

もし、ゾラデックスで経過を見ることにする場合、外科的卵巣摘出と
いう方法もあります。

とりとめもなく長々と書きましたが、分かりにくかったらご質問ください。


返信ありがとうございました! 投稿者: no name 2004/08/11 02:28:24

返信ありがとうございます。一人一人に丁寧に回答をされる二瓶先生はすごいなあと感心しているところです。

乳がんの再発予防のために食事はおっしゃる通り肉類や油脂などをできるだけ避け、野菜中心のメニューにし、米は玄米を食べています。大豆製品も積極的に食べていくつもりです。ただしあまり徹底できてはいませんが…

西洋医学の範疇とは異なるとは思いますが気功や呼吸法も少しずつ始めています。ただ続けるのに無理のないような方法にしないとだめだろうなとは思っております。

また質問させていただきたい事が必ず出てくると思いますのでその時はよろしくお願いします。(書き忘れましたが私は奈良県奈良市に住んでおります。)


投稿者: 二瓶です。 2004/08/12 11:58:49

no nameさん はじめまして

まず、no nameさんのデータに基づいた術後標準治療について
考えてみます。

日本で最も参考にされるのはスイスのザンクトガレンで行われる
会議の結果ですが、そのリスク分類に当てはめると、no nameさんの
場合ER(-),PgR(-)なので標準リスクということになります。
この場合の術後補助療法のすすめは化学療法のみで、ホルモン療法は
入っていません。
ホルモン療法の有効性が期待できないからです。

これまでのいろいろな検討から、ER,PgRが共に陰性の場合
ホルモン療法の有効性は10%以下とされています。
日本人の場合はさらに悪くせいぜい5〜6% の有効率とされています。
0%では無いのでホルモン療法が全く無駄とはいえませんが、
費用対効果の点からはひじょうに効率が悪いのでER,PgRが共に
陰性の時は通常ホルモン療法は選択されません。

ノルバデックスには子宮体癌の危険性を増すという副作用があります。
それでもノルバデックスがホルモン療法の標準治療薬として
20年以上に渡り使われてきているのは、副作用(不利益)を上回る
生存率や再発率の改善(利益)があるからです。
ただし、その恩恵が最大限に得られるのは少なくともERが陽性の場合です。
それから、進行再発乳癌では効果がある場合副作用にはある程度
目をつぶることも必要ですが、術後補助療法としてノルバデックスを
用いる場合は副作用を重視しなければなりません。
この場合、副作用(不利益)が効果(利益)を上回る時は
中止しなければなりません。

no nameさんの場合卵巣が腫れているのは、おそらく卵巣のう腫の
状態になっているのではないかと思いますが、ノルバデックスの
副作用であることは十分考えられます。
ただし、副作用ではなく婦人科の病気として卵巣のう腫が
存在することを完全に否定することはできません。

血中エストロゲン値が通常の20倍というのもノルバデックスの
影響であると考えられます。
ノルバデックスは抗エストロゲン剤でエストロゲンの産生を
抑制する薬理作用はありません。
エストロゲンレセプターにエストロゲンが結合するのをブロックして
エストロゲンの作用を抑制します。
この作用が逆に卵巣を刺激してエストロゲン産生を高め
血中エストロゲン値を高くし、卵巣の腫れにつながっているのかも
しれません。
ただし、この場合もエストロゲンを産生する卵巣腫瘍の存在を
完全に否定することはできません。
可能性を言ったらきりがないので、全てノルバデックスの副作用として
考えることにします。

では副作用と考えたときどうすれば良いかということにですが、
ゾラデックスのようなLH-RHアゴニスト剤を用いて卵巣機能を抑え
閉経状態にすることも一つの方法です。
ただしゾラデックスを併用しても有効率の改善は見込めない上に、
ノルバデックスだけの時と比べ費用対効果は著しく下がることに
なります。
これでは木を見て森を見ずということになってしまいます。

ところで、ノルバデックスで現在閉経状態になっているのでしょうか?
それでもわずかな効果に期待してノルバデックスを続けたいと
希望されるのであれば、私はむしろノルバデックスは中止し
ゾラデックスで卵巣機能を抑制する方法でのホルモン療法を
おすすめします。

卵巣機能が無くなれば残るエストロゲンの出所は副腎ということに
なるので、ホルモン療法を徹底するのであればアリミデックス等の
アロマターゼインヒビターという薬剤を併用することが理論的です。

副腎由来のエストロゲンだけとなる閉経後はアリミデックスだけを
継続することになります。

ノルバデックスは臓器によってエストロゲン作用を持っているので
(乳癌には抗エストロゲン作用を持ちます)、コレステロール値を
下げ心血管系の病気予防に貢献したり、骨塩量を増やし骨粗鬆症に
良い影響を与えます。

しかし、エストロゲン値が通常の20倍という高値の原因が
ノルバデックスにあるのであれば、no nameさんの場合ホルモン療法の
有効性が低いことを考慮し、ノルバデックスを中止すべきだと考えます。
エストロゲン高値が続けば卵巣の腫れはさらに大きくなり、
子宮内膜にも悪影響が出ることが心配になります。


結論です。
no nameさんの場合の術後補助療法の基本は化学療法のみで、
ホルモン療法は通常選択されません。
有効率は低くてもホルモン療法を行うのであれば、ノルバデックスの
ような抗エストロゲン剤は中止にして、ゾラデクッスのような
LH-RHアゴニスト単独で用いることをおすすめします。

ところで、フルツロン8ヶ月で中止は副作用のためですか?

疑問があったら、またご質問ください。


検診にいってきました 投稿者: こっこ 2004/08/09 11:57:45

暑い日が続いておりますがお元気でしょうか?

さっそくですが結果報告です。
残念ながらCEAの値が54.4と上昇していました。
34−55.3−34.3−54.4という数値なのですがやはり上昇傾向とみなければいけないのでしょうね。34.3の時点でアロマシンに替えたので主治医はもう1ヶ月様子を見て、9月にCTを撮りその結果でハーセプチンの使用を考えようとおっしゃいました。
その他の肝数値(ALPとγーGTP)についてはLDHが変化ないので多分薬の影響ではないかとのことでした。その時お聞きするのを忘れたのですが、それに対するお薬というのはないのでしょうか?
かなり厳しい結果が出て、やはり少々落ち込みましたが気持ちまで病気に負けてはいけませんよね。大丈夫です!もう立ち直りつつありますから。
また主治医は外国では何か症状が出るまで検査をしないから、今の状態はまだまだ再発とはいいませんよ・・と慰め(?)てくださいますが、やはり冷静に考えると再発を疑わざるをえませんよね。
でも二瓶先生のおっしゃるように、強い気持ちを持って冷静に対処できるようにしたいと思っています。
ただこのクリニックではエコーとCT以外の検査を受けられないので、敵の形が見えないまま次の治療に入るのが残念です。

二瓶先生いつも本当に的確で、暖かいアドバイスをいただきまして感謝しております。

今後は今まで以上に御面倒をおかけする事が多くなるかもしれませんが、どうかよろしくお願いいたします。


投稿者: 二瓶です。 2004/08/10 11:37:42

もうすぐ盆ですが、郡山もまだまだ暑い夏の日が続いています。
そんな中にも少しずつ秋の気配が忍び寄ってきています。
夜明け間際の涼しさがひと頃より違うし、郊外にはススキの穂が
出ています。

6月には暑い日が多くなり梅雨も早めに終わったのですが、
早めに台風もいっぱい押し寄せ大雨を降らせ、いつもの年より
暑い真夏のミンミンゼミの声は少なく山に行けば早くもヒグラシが
鳴いていて、季節の巡りが前倒しで少し早くなっているようにも
感じます。

こっこさんの富山県も福島県の郡山も冬には雪の降る気候的には
似ているところもあると思いますが、富山はいかがですか。


さて、CEAの値が54.4と前の前の値に戻りました。
アロマシンに変えて一ヶ月ですから、主治医の先生がおっしゃるように
もう一ヶ月様子を見て良いと思います。
トールさんも書いているように、ホルモン療法剤は効果が出てくるまで
時間がかかることがあります。
それまでの間に一時的な腫瘍マーカーの上昇を認めることもあります。
と言ってはみたものの、それはあくまでも希望的推測に過ぎず、
当のこっこさんにとっては慰めにもならないかもしれませんね。

次の血液検査での値がこっこさんの現実です。
そこで更に上昇しているようなら、残念ながらCEAの上昇傾向は確実と
客観的に認めざるをえません。

どこかに潜んでいる再発巣が目覚めて仲間を増やしていると
想像するしかありません。
検査でどこに問題があるのかはっきりすれば対処の仕方も絞ることが
できるのですが、相手が見つからずとも治療法の変更は検討しなければ
なりません。

肝機能障害が出現してきたとき、まずその原因を検討することが
肝腎です。
肝機能でGOTやGPTの上昇があるときは肝庇護剤の投与をしたりしますが、
GOTやGPTが正常でALPやγ-GTPの軽度上昇で原因が不明な時は
そのまま経過を見ます。
原因がはっきりしてそれに対する治療が奏功すれば、肝機能も
改善してくると思います。

ALPやLDHの上昇では骨転移などないか検討すべきです。

トールさんに対しても同じようなことを書いていますが、現実を冷静に
受け止めてしっかりした気持ちで対処することが大切だと思います。


いつもありがとうございます 投稿者: トール 2004/07/27 19:02:18

二瓶先生、いつもご丁寧なお返事ありがとうございます。
友人のことはとても他人事とは思えず気持ちは揺れましたが、100人がん患者がいれば、100種類のがんの性質があるんだ、自分と人を比べてはいけないと思うように努力しています。
この前は気が動転していましたが、落ち着いて考えてみるとホームドクターのところでの胸部レントゲンが少しきになるということで、近くの病院で5月に胸のCT、腹部エコーはしてありました。骨シンチは去年の12月にしただけなので、やはり気になるので来月の受診の時に主治医に相談してみようと思います。
とにかく不安は取り除かないと倍増してしまうので。患者としてつい、主治医とうまくやっていかないとと思い、強く言えないところがあるのです。ずーっとみてもらっていた先生は定年で辞められ、今の主治医とはまだまだ気持ちの疎通がうまくいきません。あまり遠慮していても自分の体は自分で守らないといけないなとも思っています。
またご相談しますのでよろしくお願いします。


検査についての質問です 投稿者: トール 2004/07/26 09:56:47

先日はCEAが下がったので喜んでいたのですが、少し不安にも。
実は友人が(彼女はCEAとCA15-3も上昇していましたが)数値が下がり始め喜こんでいたのに骨に転移していて私までショックで。
人と比べてはいけないことはよく分かっています。でもやっぱり揺れます。
私は先日の受診の時に12月に骨シンチ(異常なし)をしていたので半年たつので、骨シンチと肺と腹部のCTはしなくていいのでしょうかと質問したところ、CEAが下がってきたし、しなくていいでしょって言われました。
でも下がってきたといってもまだまだ数値が高い現在、必要最低限どのような検査をどのような間隔でしていけばいいのでしょうか。現在はマーカーのみです。来月は胸部レントゲンがありますが。
年末には(今から先の話をしたら笑われるかもしれませんが)骨シンチと胸部腹部CTをしてもらいたいなって思っているのですが。教えて下さい。


投稿者: 二瓶です。 2004/07/27 15:57:57

トールさんへ

不安感を意識的に無意識下に置こうとする試みは、たいていの場合
失敗します。
年のせいでしょうか、私の意識の底には漠然とした不安感が潜んでいて、
何かのきっかけで大きく膨らみ意識の全体を支配するようになります。
しかし、しばらくすると自然にしぼんでくれるので通常の日常に
戻ることができます。
もちろん私の不安感とトールさんの不安は違います。

言いたいことは、こうした不安感あるい不安が日常では
意識出来ないほど意識の底に潜んでいて欲しいということです。
たいていの根拠のない心配感は杞憂に終わりますが、
トールさんの場合は不安の源にCEAの上昇という現実があるので、
杞憂で終わらない可能性を否定はできません。

CEAが半減したにも関わらず、友人の状況が引き金でトールさんに
不安が芽生えてしまいました。
完全に否定する根拠がない以上、心配するなと言っても鉄の心でも
持っていない限り難しいことだと思います。

では、どうしたらいいか。
周囲の状況をありのまま受け止めるしかありません。
その上で自分のことは自分のこととして受け止め納得していくしかないと
思います。
理論的に考えても、腫瘍マーカーは万能でありません。
明らかなひどい状態の再発が存在しても、いくつもある腫瘍マーカーの
どれ一つとして正常値を超えて上昇しない方もいます。
元は一個の癌細胞から分裂したとはいえ、何世代にも渡り分裂を
繰り返すとすべての癌細胞が最初の癌細胞と全く同じ性質を
維持しているとは限りません。

つまり腫瘍マーカーが下がっても、その腫瘍マーカーの上昇と
関係しない癌細胞が新たな転移を引き起こすことを否定することは
できません。
医療に絶対はありません。
絶対がないのであれば、今回CEAが半減したとしても慎重に経過を
見ることが必要で賢明なことだと思います。

そんなことどうでもいいやと思うのであれば、検査などせずに成り行きに
任かせるのも一つの見識です。
そう考えないのであれば、体に決していい影響を与えない不安を
取り除くためにも検査を受けて安心できたらいいと思います。

トールさんのように腫瘍マーカーが上昇していてその原因が不明の場合、
血液検査は別にして3ヶ月毎あるいは半年に一回は画像診断で経過を
見るのが普通かもしれません。
検査項目としては骨シンチと胸腹部CTが一般的だと思います。
3ヶ月毎の検査は過剰かもしれませんが、CEA上昇の原因探しのために
6ヶ月毎に画像診断を行うことは決してやりすぎではないと考えます。

胸部CTの代わりに胸X-P、腹部CTの代わりに腹部超音波検査でもいいと
思います。
症状的に疑われるときは頭部CTかMRIを追加することになります。

また、不安を増してしまいそうなことを書きました。
不安を持ち続けることはよくありませんから、一つ一つ問題を解決し、
その結果をしっかり受け止めていってください。


先日はありがとうございました 投稿者: さきもと 2004/07/21 00:53:17

先生こんにちは。
先日ご相談した子宮体癌の詳しい結果は話を聞いたところ何も検査で出てこなくて判定不可能という結果でした。それでもこれからホルモン療法を控えているので
もう一度詳しい検査をして白黒はっきりさせようということになりました。先生が言うにはまず癌ではないのでしかも何も出ないということは大丈夫と言ってもいいはず・・・とは話しておりました。
タキソテールは今日最後の八回目が終わりました。
副作用はまだこれから出てくるところですが
無事に終了できて良かったと安心しています。
最近は手術をしたほうの腕にむくみが出ています。
むくみ自体はひとまわりうでが太くなっているような感じなのですが、このむくみはタキソテールの副作用なのか手術の後遺症なのかと思うところです。
むくみに対しての治療はどういった病院でしてもらえるのかも自分なりに調べたりしているのですがいまいち
分かりません。
手足のしびれも六回目くらいからでていて治療が終わってからどのくらいでなくなるのかと話しています。治療が終わっても後遺症は何か残るのでしょうか?
まずは今回は最後の(最後でありたい・・・)抗がん剤治療も無事に投与する事が出来たことでやっと一段落した感じです。 次は放射線の治療で毎日病院通いで
忙しくなりますが頑張ります。
ありがとうございました。


投稿者: 二瓶です。 2004/07/22 23:36:25

さきもとさんへ

タキソテールが予定通り8コース完遂できて本当に良かったですね。
最初からいろいろ副作用があって、お母さんにとっては不安に満ちた
辛い期間だったと思います。
もう少しというところでさらに子宮体癌の心配が出てきて、お母さんは
言うまでもなくさきもとさんも大変ご心配のこととお察しします。

今一番大切なことは、現実の乳癌に対する必要な治療をきちんと
受けることです。
化学療法が終了して次は放射線療法とホルモン療法ということですが、
子宮体癌を心配してホルモン療法を躊躇することは決してお母さんの
ためになることではありません。
前回も書きましたがホルモン療法が子宮体癌を引き起こす危険性は
あっても少なく、それよりも乳癌に対する治療効果の方がはるかに
高いことが証明されています。

患側上肢のむくみは乳癌の術後によく見られるものです。
むくみの程度はいろいろで全くむくみのない方もいれば、ほんの少しから
誰の目にも明らかなむくみまでいろいろです。
最近は手術が縮小傾向にあり、腋窩リンパ節郭清が昔ほどがっちり
行われなくなったので、以前ほど強いむくみは見られなくなりました。
それでも時々気になるほどのむくみが出現します。
タキソテールの副作用にむくみがありますが、このむくみは通常全身的な
むくみで程度が強ければ体重増加として客観的に把握できます。
あるいは胸水とか心のう液貯留といった形で現れます。

術直後の場合は腋窩リンパ節郭清の影響で患側上肢のリンパの流れが
一時的に悪くなり、タキソテールの影響が患側上肢に強く出てむくみが
強くなるということはあるかもしれません。

タキソテールが原因のむくみであれば、タキソテール終了後は次第に
取れてくると思います。
さきもとさんおお母さんの場合リンパ節転移があったので、
リンパ節郭清はしっかり行われていると推測します。
もしタキソテール副作用でないとすると、患側上肢のむくみは
手術に伴うものだということになります。
それを手術に伴う副作用とするかどうかは問題があります。
同じように手術をしてもむくみが出たり出なかったりします。

リンパ節郭清の程度にもよるし、患者さん個々の解剖学的な構造の違いや
体質によってむくみが出やすかったりします。

大昔、術後に治療の根治性を高める目的で必ず腋窩を含む局所に
放射線療法を行うことがよく行われていました。
この頃は術後に患側上肢のむくみが普通にしかもかなり強度に
見られました。
当時は乳癌の手術をすれば腕がむくむのは当然のように思われていました。
残念ながらむくみに対する良い治療法はありません。

これまで薬物療法、手術的な治療、マッサージなど理学療法、
弾性サポーターを患側上肢に装着するなどいろいろ試みられて
きましたが、いずれも満足のいく効果は得られませんでした。
手術初期のむくみは一時的なもので引けることがありますが、
半年以上経って出てきたむくみは引けません。
むくみが出てしまった場合大事なことは、むくみがそれ以上ひどく
ならないよう心がけることです。

患側上肢で重いものを持続的に持たない、軽作業でも長時間
続けない、手の先から肩の方へ腕をもみ上げるなどして悪化を
防ぐことが大切です。

病院では術後リハビリ運動の一環として、ハドマーなどという機械で
機械的に手先から肩の方へ腕をもみ上げたりします。
同じような働きをするメドマーという家庭用の機械もありますが、
何人か実際に使った方に聞いたところさほど効果は出ていないようです。


しびれもタキソテールの副作用です。
タキソテール開始初期にしびれが強く出てきた場合はタキソテールを
減量して様子を見たり、それでもしびれが強くなるときはタキソテールを
中止しなければなりません。
さきもとさんのお母さんは何とか予定を完遂できました。
今後はタキソテールの影響が取れてしびれが和らいでくると思いますが、
このしびれには神経が関係しているので消失するまで半年から一年かかると
思います。

これから温存乳房に放射線療法が始まりまたまた大変だとは思いますが、
ぜひお母さんの力になってあげてください。


投稿者: さきもと 2004/07/25 22:40:58

毎回お忙しいのに相談にのって頂いて
感謝しています。ありがとうございます。
金曜日に子宮体癌の検査結果がでました。
今回は詳しい検査の結果「正常」という結果でした。半年に一回のペースで検査をしていけば大丈夫だということで安心しました。
不安な毎日だったので本当に良かったです。
八月から放射線の治療が始まりますが母は抗がん剤に比べたらそこまで苦しくないんじゃないか・・・と前向きに治療を受ける気持ちになっています。またこれから放射線の副作用とか毎日の病院通いで大変だとは思いますがこの夏を越えれば治療も少しは落ち着くのでは・・・と思っています。
むくみは腕の使いすぎも良くないのですね。母は植木の仕事を手伝ったり力を使うことが多いのでそれもむくみを悪化させてしまう原因だと思います。
気をつけるようよく話しておきました。
また経過についてご連絡します。
ありがとうございました。
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